前回、人間は60兆個の細胞から造られていて、その細胞が日々新陳代謝を繰り返しながら私たちは生きていることをお伝えしました。
そこで大事なことは日々、新陳代謝を繰り返す細胞が質の良い細胞であるということ。
質の良い細胞にするためには体質を変えることです。
つまり体質=「細胞の質」だと言えるのです。
質の良い細胞はつくるには、細胞の原料となっている栄養素を必要な量だけとっていく必要があります。
必要な栄養素がとれていれば健康になれるし、栄養素が不足していれば病気になってしまうかもしれませんね。
- 栄養素の不足した食事 ⇒ 質の悪い細胞 ⇒ 悪い体質 ⇒ 病気
- 必要な栄養素がとれている食事 ⇒ 質の良い細胞 ⇒ 良い体質 ⇒ 健康
これらの栄養素を知ることで「元気な細胞にするためにはどうすればいいか?」がわかってくるかもしれません。
そこで、今回は②の『脂質の働き』について書いていきますね。
目次
脂質とは?
「脂質」は、炭水物やタンパク質とともに3大栄養の1つ。
3大栄養素の中で最も高いエネルギー源となり、私たちの体にとって大切な栄養となっています。
食事を通じて体の中に入った脂質は、大きくトリグリセリド(中性脂肪)、コレステロール、リン脂質、脂肪酸の4つに分けられます。
このように脂質は形を変えて血液やリンパの流れに乗って体内をめぐり、体の中で重要な役割を果たしているんですね。
脂質の働き
エネルギー源になる
3大栄養素の中で、最も高いエネルギー源。
1gあたり9calの熱量があり、食べ物を摂らないとき(血液中にブドウ糖がない状態)に体に蓄えられた脂肪がエネルギー源として使われます。
※ただし、脳細胞は脂質をエネルギーとして使うことはできません(脳のエネルギー源は糖質だけ)。
細胞膜の成分
細胞膜の外側を覆って細胞膜の境界線をつくったり、細胞に出入りする栄養素の輸送をします。
保護作用
皮下脂肪は体の熱を保持し、また組織を保護する役割があります。
神経細胞を覆っているミエリンも「リン脂質」という脂肪で、絶縁体として神経の伝達系を助けます。
脂溶性ビタミンの吸収を助ける
脂溶性ビタミン(ビタミンビタミンA・D・E・K)とは脂質に溶ける性質をもつビタミン。
脂質に溶けるので、脂質を摂ることで上手く吸収されていくのです。
ですので全く脂質を避ける食事をしていると、この脂溶性のビタミンが摂取しにくくなるということです。
脳と体の成長に必要
乳児の成長には母乳に含まれる「EPA」と「ガンマ・リノレン酸」が必要。
DHAは脳の発育に必要で、学習能力や記憶を高めます。
ホルモン分泌に働く
ステロイドホルモンの原料となります。
エイコサノイドになって、調整物質として働く
エイコサノイドにはプロスタグランディンやロイコトリエンがあり、細胞個々でホルモンのような「調整」の働きを行います。
まとめ
脂質はエネルギー源になるばかりでなく、ホルモンの原料や細胞膜の構成成分になったり、脂溶性ビタミンの吸収を促すなど、重要な役割を担っているため私たちの体にとっては欠かせない栄養素の1つです。
脂質(脂肪)というと「太ってしまう」など、何かと悪者に思われてがちですが、それはあくまで脂質の摂りすぎというだけの話。
不足すると疲労しやすくなったり免疫力が低下したりするため、適度な脂質は身体にとって非常に大切なのです。
料理やお菓子作りなどに欠かせないバターや植物油、脂ののった美味しいお肉やお魚など、私たちの食卓に欠かせない「脂質」。
その脂質の選びかたに注意して、健康な体づくりに役立てていきましょう (^^)v
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