酸素や水と同じくらい、生命にとって大事な『酵素』とは?

酵素 働き 生命2

前回、人間は60兆個の細胞から造られていて、その細胞が日々新陳代謝を繰り返しながら私たちは生きていることをお伝えしました。

細胞から元気になって、心も体も健康になろう!!

 
そこで大事なことは日々、新陳代謝を繰り返す細胞が質の良い細胞であるということ。

質の良い細胞にするためには体質を変えることです。

つまり体質=「細胞の質」だと言えるのです。

 
質の良い細胞はつくるには、細胞の原料となっている栄養素を必要な量だけとっていく必要があります。

必要な栄養素がとれていれば健康になれるし、栄養素が不足していれば病気になってしまうかもしれませんね。

  • 栄養素の不足した食事 ⇒ 質の悪い細胞 ⇒ 悪い体質 ⇒ 病気
  • 必要な栄養素がとれている食事 ⇒ 質の良い細胞 ⇒ 良い体質 ⇒ 健康
そして、細胞の原料になっている栄養素は次のようなものがあります。

これらの栄養素を知ることで元気な細胞にするためにはどうすればいいか?がわかってくるかもしれません。

そこで、今回は⑥の酵素について書いていきますね。

酵素の役割

酵素は、私たちの「心臓が動く・呼吸をする・消化をする・ものを考える・ホルモンをつくる」など、すべての生命活動に必要なものです。

食べた物が消化吸収され、体を作ったり調子を整えたりするとき、私たちの体の中ではさまざまな物質が休むことなく分解合成されています。

こうした化学反応をスムーズに進めるのが酵素です。

 
この酵素は人間の体だけでなく、あらゆる動物・植物・微生物などすべての生き物に存在し、その生命を支えています。

水や酸素と同じくらい、”酵素がなければ私たちは生きていけない”とさえ言える存在なんですね。

酵素の種類

酵素には、次のような種類があります。

主な酵素は消化酵素代謝酵素食物酵素の3種類。

このうち、体内でつくりだせるのは消化酵素と代謝酵素で「体内酵素」、外部(食べ物)から取り入れる酵素を「食物酵素」といいます。

とくに体内酵素は何千何万種類の酵素が存在し、1つの酵素は1つの働きしかしないので体内酵素が欠乏したときが寿命のおわりとなります。

ですので、健康で長生きをするためには体内に酵素が十分保たれているか、どうかが関係しているといっていいですね。

消化酵素

消化酵素の種類

消化酵素とは大きな食べ物の分子を、体内に吸収されるように小さな分子にするため、化学的に分解する手助けをする酵素です。

分解される栄養素によって炭水化物分解酵素タンパク質分解酵素脂肪分解酵素の3種類にわかれます。

消化酵素をだす主な場所

唾液 ⇒ 食べ物をかむと分泌される
【唾液に含まれる消化酵素】
アミラーゼ(炭水化物分解酵素):デンプンを分解して麦芽糖にする。

 
胃液 ⇒ 食物が胃に到達すると分泌される
【胃液に含まれる消化酵素】
ペプシン(タンパク質分解酵素):タンパク質を分解して、より小さなペプチド(ペプトン)にする。

 
すい液 ⇒ 炭水化物・タンパク質・脂肪を消化できる。食後、すい管から十二指腸へと分泌される
【すい液に含まれる消化酵素】
膵アミラーゼ(炭水化物分解酵素):デンプンを分解して麦芽糖にする。

トリプシン(タンパク質分解酵素):タンパク質やペプチド(ペプトン)を分解して、さらに小さなポリペプチドやアミノ酸にする。

膵リパーゼ(脂肪分解酵素):胆汁で乳化された脂肪(中性脂肪)を分解して、脂肪酸とグリセリンにする。

 
腸液
【腸液に含まれる消化酵素】
スクラーゼ(炭水化物分解酵素):ショ糖を分解して、ブドウ糖と果糖にする。

マルターゼ(炭水化物分解酵素):麦芽糖を分解して、ブドウ糖にする。

ラクターゼ(炭水化物分解酵素):乳糖を分解して、ブドウ糖とガラクトースにする。

アミノぺプチターゼ(タンパク質分解酵素):ポリペプチドを分解して、アミノ酸にする。

代謝酵素

代謝酵素は体内で起こるすべての代謝に必要となり、エネルギーづくりから解毒はもちろん、私たちが食事から摂り込んだ栄養素を、体内で必要なさまざまな物質につくりかえています。

 
例えば、

  • 吸収された栄養素を、体中の細胞に届けて有効に働く手助けをする(新陳代謝)
  • 毒素を汗や尿の中に排出する(有害物質の除去)
  • 体の悪い部分を修復し、病気を治す(自然治癒力)
  • 免疫力を高める(ホメオスタシス)
代謝酵素が働いてくれているおかげで私たちの生命は維持され、健康維持や体の修復、体の恒常性(ホメオスタシス)を維持し、免疫を健全にして自然治癒力を正常にしているのです。

これらの働きをする時、1つ1つの酵素の役割分担は厳密に決まっているので、どこかの代謝で特定の酵素が不足したからといって、ほかの種類の酵素がその不足を補うことはできません。

酵素不足は深刻な体のトラブルにつながるのです。

食物酵素

消化酵素が必要になればなるほど、すい臓の負担が大きくなる

食物酵素についてお伝えするまえに、消化酵素とすい臓の関係について少し書いていきますね。

 
私たちの食べたものが消化・分解され、血液を通じて体内に運びこまれるまでには、体は大変な重労働を強いられます

噛むことから始まって、多くの消化酵素が胃腸管の中で分泌され、食べたものに働きかけて消化されます。

そして小腸で吸収され、血液中にとりこまれていきます。

こうした一連の消化の過程では、多量の消化酵素が必要になってきます。

また、体は何種類もの消化酵素を生産しますが、その過程でも多くの酵素が動員されます。

 
さらに現代人の食生活の大部分を占める、調理・加工された食品を食べると、消化のすべてを体内で生産される消化酵素に依存した消化活動が行われるのです。

つまり、現代の食生活では消化酵素ばかりを消費してしまい、その結果、つねにオーバーワークを強いられる臓器があります。

その臓器は「すい臓」です。

 
すい臓には重要な働きが2つあります。

  1. 消化酵素をつくること
  2. 血液中のブドウ糖(血糖)の濃度(血糖値)を調整するホルモンのインスリンとグルカゴンを分泌して、血糖値を安定させること
仮に、すい臓が①の「消化酵素をつくる」という働きばかりしてしまうと、②の働きがおろそかになり、血糖値を安定させておくことができにくくなってしまいます

消化酵素は消化器官内の何ヵ所かでつくられて分泌されますが、消化酵素の需要が増えれば増えるほど、すい臓は能力以上に消化液をつくって分泌しなければならず、大きな負担がかかってきます

また本来ならば、他の代謝に使われるはずのビタミンやミネラル・アミノ酸なども消化酵素づくりのために使われてしまいます。

 
このように、消化酵素ばかりが消費されすぎて脂肪代謝・糖質代謝・タンパク質代謝などに支障がでてくれば、肥満をはじめ、あらゆる生活習慣病につながり、老化の促進も必然になってきますよね。

食物酵素は、体内の酵素不足を直接補うわけではない

では、本題の食物酵素についてお伝えしていきますね。

 
食物酵素は、生の食品や発酵食品に含まれています。

生の肉や魚、野菜や果物には食物酵素が多く含まれいて消化を助けてくれるのです。

 
昔から私たちは、世界中でさまざまな発酵食品を食べてきました。

ヨーグルトや乳酸飲料などの発酵乳製品。キムチ・浅漬け・ピクルス・ザワークラウト・納豆・みそ・しょう油・甘酒などの発酵食物製品。

そして、チーズ・鮒寿司・酒・酵母などがあります。

しかし、これらの食物を食べたところで代謝酵素として働くわけではありません。

食物酵素が、体内の酵素不足を直接補うことはできないのです。

食物酵素の重要な働きとは?

では、食物酵素の働きはなんでしょうか?

食物酵素のもっとも重要な働きは「事前消化」です。

本格的な消化活動がはじまる前に、食物酵素は事前消化を行います。

 
さきほど「消化酵素の需要が増えれば増えるほど、すい臓には大きな負担がかかってくる」ことをお伝えしました。

しかし、食物酵素が豊富な生の食べ物を食べた場合、事情は大きくかわります

 
私たちが食べた食べ物は、本格的な消化活動のための準備が整うまで胃の上部にとどまっています。

この間、食物酵素なしの食物はほとんど変化しません。

ところが、食物酵素がふくまれる食物は唾液による消化に加え、その食物のもっている酵素によって自分自身を消化しはじめます

 
本格的な消化が始める前に、なんと糖質なら40~80%、タンパク質も30%程度が食物酵素によって事前消化されます。

そうすることによって、すい臓は食物酵素が事前消化しきれなかった食物の消化酵素をつくるだけでよいのです。

また、余分な消化酵素づくりをしなくてすむので、ビタミン・ミネラル・アミノ酸・エネルギーなどは、ほかの酵素づくり・タンパク質合成・組織の維持や修復・治療などのためにまわすことができるのです。

そのため病気を寄せ付けない、いつまでも若々しい体を維持できるようになるんですね。

まとめ

人間はバランスよく食べ物を摂ったからといって、それだけでは生きていくことはできません。

生命活動においては、さまざまな化合物による反応が起こっていてます。それらの反応のほとんどが、実は酵素の仲立ちがあって、はじめて成り立つのです。

 
生命あるところに必ず酵素ありといわれるぐらい、人間が生命を維持いく上で酵素は必要不可欠な物質。

しかし、現代人の生活は体内酵素を浪費し、酵素不足になる傾向にあるんですね。

酵素が不足すると、体が弱り病気の引き金になるため酵素不足は「万病の元」ともいわれています。

 
酵素を浪費する大きな原因としては、食品の調理方法・化学物質を使った加工食品・アルコールや過度の薬品使用、さらにはジャンクフ一ドを頻繁に食べるなどが挙げられます。

また、風邪や発熱・過度の温度変化にさらされることでも体内酵素を消費します。

健康と若さを保つために、このような体内酵素の浪費を避け、足りない分は食物酵素でうまく補っていく食生活をしていくことが必要になってきますね。

 
※次回 ⇒ 『酵素』について多くの人が勘違いしていることとは?

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