前回は『交感神経』と『副交感神経』の関係について書きました。
そのなかで、交感神経と副交感神経の関係はお互い「シーソー」のような関係にあって、人間の本能により「交感神経が優先的に働く」ということをお伝えしています。
※『交感神経』と『副交感神経』の関係。頑張ると交感神経が働きます。
交感神経と副交感神経はお互いがバランスをとりながら、それぞれの役割をもって私たちの体調を整えてくれています。
しかし、逆を言うと2つの神経のバランスが崩れてしまうと体には色々な不調が出てきてしまうということです。
このバランスを崩してしまう原因の1つが
『ストレス』
そこで、今回は
『ストレス』がかかることよって、自律神経(交感神経・副交感神経)にどのような影響がでるか?
についてお伝えしていきますね。
自律神経を乱す原因はストレス
“自律神経を乱す原因は何か?”
と言われたら、多くの方は『ストレス』と答えるのではないでしょうか?
そう、確かにストレスなのでが、
“ストレスって何?”
と聞かれると、答えられるでしょうか?
実はストレスにはいくつか種類があるのですが、この事については後ほど詳しくでお伝していきます。
ストレスによる自律神経への影響
ストレスによって自律神経はどう影響されるでしょうか?
結論から言うと、ストレス時には、
「交感神経が過剰に働いてしまう!!」
ということ。
これはとても重要なことになります。
交感神経が過剰に働くことにより心臓がドキドキして血圧は上がり、血管が細くなり、そして呼吸も浅くなって胃腸が働かなくなってしまうのです。
なぜそうなるかと言うと、これが交感神経の人間の体に対する働きだから。
これが、あなたの体の不調を作りだしているのかもしれません。
ストレス=生命の危機
なぜストレス時には、過剰に交感神経が働くのでしょうか?
前回の記事で、人間も昔は食べたり食べられたりという、「食物連鎖」の世界で生活していたことをお伝えしました。
いつ何時他の動物に襲われるかもしれないという「ストレス」がかかる状況で生きていたのです。
つまり人間も含めて、すべての生物は
『ストレス=生命の危機』
と無意識に捉えていました。
つまり、ストレスを感じると体は生命の危機から逃れようとする動きをします。
このときに交感神経が働かないと生命の危機は確実に訪れてしまいますよね?
例えば、あなたがサバンナの真ん中にいるシマウマだとします。
モグモグと草を食べているとライオンの気配を感じました。
シマウマにとってライオンは大きな「ストレス」ですので、あなたは「生命の危機」から逃れようとします。
そこから走って逃げる必要がありますよね?
その為には筋肉を動かさなくてはいけません。
筋肉を動かすには、酸素や糖分が必要。
酸素と糖分は血液が運んでいるので、筋肉にたくさんの血液が行かなければ走ること出来なくなってしまうので心臓がドキドキしてきます。
そしてたくさんの血液が血管を通るので、血圧も上がり、酸素がたくさん必要になってなって呼吸も早くなったり浅くなりがちになるのです。
このドキドキしたり、血圧が上がったり、血管が細くなったり、呼吸が早くなるのは『交感神経』の働きによるものなのです。
仮に、ここで交感神経が働かなかったらどうなるでしょうか?
そう、交感神経が働かければ筋肉に酸素と糖が届かないので、シマウマは早く走れずライオンに食べられてしまいますよね!
逆に交感神経が働けば、早く走れるので逃げるられる確率は高くなります。
つまり、ストレスがかかると自律神経の交感神経が過剰に働くようになっていて、それと同時に『副交感神経』が働かなくなってくる。
これが、『自律神経』のストレス反応で、私達の意思とは関係なく行われているのです。
ストレスがかかりつづけるとどうなる?
それでは、ここで考えてみてください。
常にストレスがかかり『交感神経』ばかり働いて、『副交感神経』が働いていない状態が続いてしまうと体はどうなるでしょうか?
当然ですが、休憩なしで走り続けると体は壊れてしまいますよね?
機械でも同じことが言えます。
つまり自律神経の乱れというのは、このような「ストレス」と言われるものが常にかかり続けて、本来バランスがとれている
「交感神経と副交感神経のバランス」
を崩しまう事を言います。
次の絵は、交感神経と副交感神経の働きです。
お互いがスイッチの「ON/OFF」のような関係を保ちながら、私たちは日々生活を送っていますよね。
でも、このバランスが崩れたらどうなるでしょうか?
これまでずっと言ってきたように、自律神経の乱れ(=「交感神経」と「副交感神経」のバランスが崩れる)ると、体にいろんな不調を起こしてしまう可能性が考えられませんか?
そこで、次回は「自律神経が乱れることで起きる可能性がある体の症状」についてお伝えしていきますね。
※次回 ⇒ 自律神経の乱れで起こるかもしれない症状とは?