これまで『副腎』という臓器がストレスに対抗するホルモンを出してくれているおかげで、あなたの身をストレスから守ってくれていることについてお伝えしてきました。
しかし、注意しなければいけないのはストレスに対抗するホルモンである「抗ストレスホルモン」を出すのにも限界があるということ。
ストレスが過剰にかかりりすぎると副腎が疲れてしまい抗ストレスホルモンを出せなくなってしまうのです。
その状態からさらにストレスがかかり続けると、プレシャーに押しつぶされて「体も心」も疲れきってしまい、体調や気持ちに様々な不調が出てきてしまうんですね。
前回の記事では、このようにストレスに対抗するホルモンが出せないくらい副腎が疲労し、自律神経の乱れている状態の場合には「カフェイン」や「甘いもの」をとらないようにおススメしています。
※危険!!「自律神経失調症」や「うつ病」に”カフェイン”や”甘いも”のはダメ!!
もちろん、これだけで自律神経の乱れは良くなってくるのですが、もっと効果的な方法があります。
それは
「ストレスを減らす」
ということ。
ストレスを減らすことで、副腎が出してくれる「抗ストレスホルモン」を少なくしてくれるます。
それにより副腎の負担が軽くなり、結果として自律神経の乱れも改善されてきますからね。
そこで、今回は以前の記事でお伝えした「4つのストレス」のうち、あなたが1番ストレスとして感じている『精神的ストレス』の減らし方について書いていきますね。
目次
『精神的ストレス』って何?
『精神的ストレス』と言えば、まずはあなたが1番”ストレス”として実感しやすいものだと思います。
基本的に「嫌だな~」と思う事が精神的ストレスですね。
例えば、何があるでしょうか?
そう、「人間関係」ですよね。
実はこれが一番多い!!
そして、多くの人はストレスというと、この精神的ストレスだけで考えてしまうことで色んな症状が出てしまったり、また今ある症状を悪化させてしまうんですね。
精神的ストレスを減らす2つのポイント
では精神的ストレスって、この「嫌だな~」と思ってしまう事ですけど、この負担を減らすにはどうすればいいか?
実は、2つポイントがあります。
それは
①「感情の抑圧」
②「ネガティブな思考」
です。
なんの事だ?と思いますが、順番にお伝えしていきますね。
今回は長くなってしまうので、①の
「感情の抑圧」
についてお伝えしていきます。
感情の抑圧
感情を抑えることで体が緊張(かたく)してしまう
人間は、生きていれば、誰でも「嫌だな~」と思う事はありますよね・・・(◞‸◟)
でも、現実に「嫌だな~」なんて本音を言ってしまったら気持ちはスッキリしますが社会生活でトラブルになってしまいますからね。
だから、多くの人が「我慢」ということをしますよね。
これは、”感情を出さないようにするという我慢”です。
私たちの体は「ストレス=生命の危機」だと、無意識にとられるということは以前お伝えしました。
※『自律神経の乱れ』=「交感神経」と「副交感神経」のバランスの乱れ
生命の危機のときは逃げたり戦ったりするので、体を動かします。
するとそのためのエネルギーが必要になりますが、このエネルギーの源の1つが『感情』です。
例えば、あなたや、あなたの大切人が何か被害にあったとしましょう。
すると、普通は”怒り”という感情が出てきますが、実はこの”怒り”はあなたや、大切な人を害から守ろうとするエネルギーになるんです。
あなたも経験した事があると思いますが怒りが湧けば、蹴っとばしたくなったり、物をなげたくなった事ってありますよね?
自然界なら、この力でライオンに抵抗したりするのですが、人間社会ではこの出てきた『怒りの感情=エネルギー』を我慢しなけらばいけないときって多いですよね。
怒りに身を任せてしまっては、ろくな事はありませんからね・・・。
例えば、職場の上司を蹴っとばしたらどうなるかはわかりますよね?(笑)
これを、心理学的に言うと『感情の抑圧』といいます。
これが大きな『精神的ストレス』になるのですが、この抑圧の仕方が重要になってきます。
実は、人間は無意識のうちに筋肉を緊張させて感情を抑圧するのです。
最近、あなたが”怒り”の感情を我慢したことを思い出してください。
必ず、どこかの筋肉に力が入り、かたくなっていたはずです。
我慢が続けば続くほど筋肉がどんどんかたくなっていき、1つの筋肉だけじゃなく複数の筋肉へとかたさは拡がっていってしまうのです。
感情の抑圧が強すぎると・・・
感情の抑圧が強すぎる!!
つまり我慢をしすぎると、かたさを通りこして筋肉が痙攣(けいれん)したり、ふるえたり、不規則に動いてしまうこともあります。
このようなことから「自律神経失調症」や「うつ病」などのように自律神経の乱れがひどい人は、必ず筋肉がすごくかたくなっています。
特に、「頭・アゴ・首・肩・背中・腰・お腹」は、かたくなりやすところなので、ちょっとさわってみてくださいね。
だから、”頭痛・アゴ関節症、肩こり、背中の痛み、腹痛”などが、なかなか取れない人は、この感情の抑圧がある可能性が高いですね。
以前にお伝えした、肩こりや腰痛の原因が自律神経の乱れからきているかもしれないというのはこのような理由からだったのです。
※もし「肩こり」や「腰痛」の原因が『自律神経の乱れ』だったら?
感情と感情の抑圧
では、感情と感情の抑圧とを少しわかりやすく説明していきますね。
ここでは体を「つぼ」、感情の抑圧を「つぼのフタ」で例えてみます。
その「つぼ」のなかに入っているのは、怒りや悲しみといった”感情”となります。
「感情=エネルギー」ですので、感情はあなたの体の外に出ようとします。
”我慢”をするということは「つぼ」から”感情”を出さないように、同じ力で筋肉が「つぼのフタ」(感情の抑圧)を抑えることだと思ってください。
例えば感情のエネルギーが「1,000」だとすると、「1,001」以上の力で”感情”を抑えこもうとします。
感情をあるがままに外に出すことが出来れば「1,000」のエネルギー消費ですむのですが、現実問題これがなかなか出来ない・・・。
ですので、この感情を抑え込む力としてプラス「1,001」以上の力で必要になってきます。
つまり合計して「2,001」以上のエネルギーを使うことになってしまうのです。
意味がわかるでしょうか?
もっと簡単に言うと、アクセルを踏みながらブレーキを踏んで車を進めているようなものです。
これでは疲れるはずですよね・・・。
ですから、自律神経の乱れがひどくなって、自律神経失調やうつ病の人は心だけではなく、筋肉もとても疲れているんですよ。
そして段々と筋肉が疲れて感情を抑えきれなくなくなってくると、ちょっとしたことで「イライラ」したり「悲しく」なったりしてしまいます。
感情は「怒り・悲しみ」だけではなく、
「妬み・不安・焦り・虚しさ・くやしい・うらみ・憎しみ・恥」
など、たくさんありますが我慢すればするほど我慢できなくなってきます。
そして感情は、「つぼ」に溜めれば溜まるほど”つぼの圧力”が高くなりってきます。
そして、最後にはどうなるか・・・?
実は、
爆発してしまいます!!
感情をためこむことに限界が来ると、押さえ込んでいる筋肉も限界に達して抑えきれなくなってしまうのです。
そして、溜めていた感情エネルギーがいっぺんに外に飛び出していってしまいます。
その飛び出してしまった結果が『重い症状』となって表に現れてくる。
溜めこめば溜めこむほど、心と体もボロボロになるほど重い症状となって表れてしまうんですね。
感情を解放して『ストレス』を発散しよう!
では、こうなる前にどうすればいいか?
答えは簡単で、ストレスを溜め込まずに適度に感情を解放すればいいんです。
感情を出すなど大人げないと思う人もいるかもしれないけど、大人というのは感情を出さないということではありません!
感情を出すべき場所と出さない場所を、きちんと選べる人のことをいいます。
ここを勘違いしてしまい、大人は感情を表に出すもんじゃないっていう人がいますが、何を根拠にそんなことを言っているのでしょうか?
心身ともに病気になってしまって、まわりの人に気をつかわせるほうがよっぽどつらいですよね。
だから、例えば、青春映画ではありませんが、海に向かって
「ばかやろ~~!!!」
と叫んでみるのもすごく効果的なんですよ。
近くに海がなかったり、これが恥ずかしと言うならカラオケで大きな声で歌うのもいいですね。
ここで、体を動かしながら歌うのもとても効果がありますよ。
そう、感情を解放するときに重要なのは「声を出す・体を動かす」といった行動です。
定期的な運動は抑圧した感情を解放させて、心身ともに健康に近づける1つの方法になります。
ここで1つ注意点ですが、今、非常に疲れている方はエネルギーをすこし溜めてから行ってくださいね。
なぜなら、感情をださないように抑え込んでいると、抑えこむことでエネルギーを消耗させてしまうからです。
しっかりとエネルギーをためてから、ぜひ遠慮をしないで感情を外に出してみましょう!(^^)!
さて、いかがでしょうか?
今回お伝えした『感情の抑圧』。
この感情の抑圧が精神的ストレスによってしだいに溜まってきて、限界を超えたときには心身がボロボロの状態・・・
こうなる前に、少しずつ感情を表にだして、ストレスを発散させてくださいね。
手遅れになる前に・・・。
次回は、『精神的ストレス』のもう1つのポイントである②の
「ネガティブな思考」
についてお伝えしていきます。