前回は、精神的なストレスの原因の1つである「ネガティブ思考」についてお伝えしました。
ネガティブ思考を少しでもプラス思考にすることができれば、「4つのストレス」の1つである精神的ストレスを減らすことができます。
しかし、このネガティブ思考というものが厄介で、これをプラス思考にするのは一筋縄ではいきませんよね。
前回の記事で、ネガティブ思考を引き起こすのは「思考性防衛本能」があるためだとお伝えしていますが、思考性防衛本能は「何かに対して考えるとき最初に悪いことから考えてしまう」という、”思考グセ”のことをいいます。
この思考グセはあなただけではなく私たち人間なら必ずもっている本能なのです。
そして、問題になってくるのは思考性防衛本能に過剰に引きずられてしまうと、病気の症状が悪化してしまうということ。
そこで今回は、なぜその思考性防衛本能に過剰に引きずられると病気になってしまうのかを『医学的』にお伝えていきますね。
目次
自律神経をコントロールする場所とは?
まず、あなたに最初に覚えておいてほしのは脳は場所によって働きが違うということ。
次の絵をみてください。
例えば、普段あなたが頭で考えていたり想像したする脳の場所を「大脳新皮質」といいます。
場所は脳の一番外側、頭蓋骨(ずがいこつ)に近い方にあって人間しかないと言われるんですね。
人間は大脳新皮質があるおかげで”考える・想像する”ということが出来るので文明を作ったとも言われているんですよ。
そして、心拍や呼吸をコントロールしている場所があります。
それが、
「脳幹」
といわれる場所です。
どんな動物も呼吸をしたり、心臓を動かして生きているので脳幹は人間だけでなく、爬虫類にも両生類にも魚類にもあります。
脳幹は脳の一番内側にあり、 「自律神経の隊長さん」だと思ってください。
想像でいいです。
そう、以前お伝えした小人の隊長さんを思い出してくださね。
※スイッチON or OFF:『交感神経』と『副交感神経』とは?
つまり自律神経をコントロールをしているのは脳幹であり、自律神経の隊長さんの命令に従うのが心臓や血管などの各臓器になります。
自律神経の隊長さんの命令に従うのが各臓器で、例えば「心臓」や「血管」などですね。
「脳幹」は想像と現実の区別がつかない
この脳幹なのですが、実は考えること(=思考)ができないのです。
どういことかと言うと、体や脳の、他の部分からの刺激で反射的に動くことしかできないということ。
つまり、あなたが想像しているものが”現実なのか想像なのか”の区別が、脳幹には全くできないんですね。
これはとても大事なんでも、もう一度いいます。
「現実と想像の区別が脳幹には、まったく出来ない」
というこです。
思考性防衛本が働くのは人間だけ
さて、ここで一回整理してみますね。
●『大脳新皮質』
考える(思考)・想像する『脳』
⇒ 人間にしかない
●『脳幹』
呼吸や血圧などをコントロールする。現実と想像の区別ができない
⇒ どんな生き物にもある
例えば、トカゲは脳幹はあるけど、大脳新皮質はないのです。
つまり「トカゲは考えたり想像したりしないけど、呼吸や心臓は動かしたりはする」ということ。
もっと言うと、これは”思考性防衛本能はない”ってことになりませんか?
そうですよね。
だから、考えたり、想像する人間は大脳新皮質があるために思考性防衛本能が働くのですね。
なぜ、『思考性防衛本能』が過剰に働くと病気になってしまうのか?
思考性防衛本能は疑似体験をしてしまう
ここで今回の本題に入りますが思考性防衛本能が過剰で働くと、なぜ病気なるのでしょうか?
実は思考性防衛本能は考えたり、想像するだけではなく衝撃的な映像などは、自分が見たり聞いたりすること同じ状態になります。
つまり、自分がその映像をあたかも体験しているように感じとってしまうのです。
例えば、今はテレビがあるのでネガティブな情報が目からも耳からも入ってきます。
震災なんかの衝撃的な映像、争い、犯罪・・・
これらのネガティブことを疑似体験をしてしまうのうです。
また世間もそういうニュースばっかり流す傾向がありますしね(>_<)
当然、衝撃的な本を読んでも同じことがいえます。
そこから色々な考え、気持ちや思いが始まって脳幹はそれに反応するだけ。
そうすると、実際は受けいないストレスを感じるようになってしまうわけです。
すると、どうなるでしょう?
ストレスが必然的に多くなってしまいますよね!!
ネガティブな疑似体験が体の不調を引き起こす
ストレスが多くなると脳幹(隊長さん)は疲労を起こしてしまい、心臓や血管など色々な臓器に狂った指令がいってしまいます。
そして、その狂った指令に従っている心臓も「これは間違った指令だ」と思わずに、その指令通りに動いてしまうのです。
これが、よく言われている”自律神経の乱れ”と言われるもので、自律神経の乱れがすごくひどくなってしまうと「自律神経失調症」や「うつ病」などと診断されてしまいます。
また症状とし心臓がドキドキしたり、心臓が一瞬止まってしまう「不整脈」のもととなったりしてしまうんですね。
この他にも症状として、「めまい」なども多い症状です。
めまいは脳幹という部分が、平衡感覚を保つのに働いているので脳幹が狂うと平衡感覚がうまく働かないということになってしまい、結果としてめまいをおこしてしまいます。
耳にとくに外傷がないのに、めまいがするのは、ほとんどこれですね。
(※自律神経が乱れることによっておこる体の不調についてはこちらの記事にも詳しく書いてあります。)
脳幹の問題なので、耳鼻咽喉科で診てもらっても安定剤だけで帰されてしまいます。
実は、耳の問題ではないので耳鼻科の先生も困ったりしてるんですね。
さらに、「副腎ホルモン」などもたくさん使われてしまうために症状がでたり、あるいは悪化してしてしまうんですね。
さて、いかがですか?
今回は、なぜ思考性防衛本能に過剰に引きずられると病気になってしまうのかを『医学的』にお伝えしてきましたが、医学的な専門用語が多くてわかりにくかったかもしれませんね。
そこで次回はもっとわかりやすく知るために、思考性防衛本能について『体験的』にお伝えしていきます。