前回の記事では、環境ホルモンの影響について書きました。
そのなかで、環境ホルモン影響により生殖機能の異常・免疫力の低下による健康障害・行動の異常が表れることをお伝えしました。
しかし、環境ホルモンの1番怖いところは、
「母親が環境ホルモンにさらされると、胎児や乳幼児ほど被害を受けやすく、大人になってからホルモンに影響が出てくる場合がある」
ということです。
そこで、今回は
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- 胎児や乳幼児が大人になってから、どんな影響がでるのか?
- 環境ホルモンから身を守るにはどうすればいいのか?
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についてお伝えしていきますね。
目次
環境ホルモンの影響
生殖機能の異常
環境ホルモンの影響はとくに幼胚の段階で卵巣と精巣にダメージを与え、環境ホルモンに慢性的にさらされると、いずれ卵巣と精巣の機能不全を招いてしまいます。
その結果、不妊やガン・女性においては「女性ホルモン」のバランスを崩して多くの問題を起こし、男性では精子形成にも悪影響を与えるのです。
また、「オスのメス化」といって、女性ホルモンと同じような作用をする物質(環境エストロゲン)が男性ホルモンを妨げて、精子の減少や奇形、精巣癌や前立腺癌などを誘発する可能性が大きくなります。
次世代以降の男女への影響
何度もお伝えしているとおり、環境ホルモンが本当に恐ろしいのは次世代の影響です。
母親が環境ホルモンにさらされると、胎児や乳幼児ほど被害をうけやすく、大人になってからホルモンに大きい影響が出てくる場合があります。
脳の機能低下
脳の働きは、胎児・乳児期に性ホルモンが正しく働くことがとても重要になってきます。
また、攻撃性や衝動性をつかさどる神経伝達物質はホルモンの関節的なコントロールを受けているので、ホルモンと似た環境ホルモンが人の神経系に影響を与えます。
その結果、学習障害・多動性・IQの低下、性同一性障害・パーキンソン病・クレチン症などが起こることがあるのです。
知能は発達しているのに文字が読めない
アメリカではLD(学習障害児)という新しいタイプの学習障害が増えていて、近年日本でも増えています。
学習障害児というのは、「聞く・話す・読む・推理する・計算する」といった基本的な能力の1つ、もしくはいくつが習得・使用できない状態。
知能の遅れがあるというより、知能の発達に部分的な偏りがあるため学習することができないのです。
ADHD(注意欠陥多動性障害)を学習障害児は合併していることもあります。
文部科学省が2012年の発表では、軽度の学習障害児は日本では就学時の6.5%とありましたが、実際は10%ほどいるとみられています。
更に大人にも発達障害の人が増えています。
環境ホルモンから身を守るには?
今の日本では、環境ホルモンを減らすことはすごく難しいことになっていますよね。
しかし、出来るだけのことをして環境ホルモンの害から体を守っていかなければ人類の未来はどうなるのか心配です。
では、できるだけ環境ホルモンから身を守るにはどうすればいいでしょうか?
まず、環境ホルモンになるものは使わない・食べないことです。つぎに、栄養素をきちんと摂ること。
それによって、肝臓や腸などが良く働いて環境エストロゲンを解毒(分解したり、便として出したりする)してくれるようになります。
そして、植物エストロゲンを含む食品を食べることです。
植物性食品にふくまれる穏やかな働きの植物エストロゲンは、環境エストロゲンと受容体(レセプター)を奪い合います。
ですので、植物エストロゲンがレセプターに結びついてしまえば、環境エストロゲンは作用できなくなり害を減らすことができるのです。
環境ホルモンを排泄(解毒)すには?
現代人は全員、解毒が必要といっていいでしょう。とくに妊娠を望むかたにとってはとても大切です。
解毒は体をきれにする過程。解毒は毒素の摂取量を減らすことと、排泄の改善など食事とライフスタイルの改善が必要になってきます。
① 毒性のない食事
(〇)できるだけ、いつも有機食品を食べる
(〇)しっかりした内容の浄水器をつける
(〇)食べものを回転させて食べて、アレルギーがおきないようにする
(〇)食べ物の組み合わせを考える
(〇)旬のものを食べる
(〇)自然のものを食べる
(〇)野菜・果物・全粒穀物・豆類・種やナッツ・少量の低脂肪の乳製品・新鮮な魚・有機栽培の鶏肉
(〇)ステンレスの調理器具を使う
(✖)赤みの肉・加工肉・内臓肉・精製食品・缶詰・砂糖・塩・コーヒー・アルコール・ニコチン
② 栄養素の補給
● 解毒力を高める(肝臓・腎臓・腸)
すべてのビタミン・ミネラル・必須アミノ酸・食物繊維・乳酸菌
● ホルモンバランスを維持する
ビタミンE・マンガン・カルシウム・オメガ3
● 細胞へのダメージを減らす
ベータカロチンや、その他のカロチン・ビタミンC・ビタミンE・亜鉛・マンガン・セレニウム
● 性能力を向上させる
亜鉛・タウリン・セレニウム
● 神経系を強化する
カルシウム・マグネシウム・ビタミンB群
③ 生活習慣・ストレス・ビタミンB群
良い生活習慣やストレスを上手に受けながす。運動なども解毒には大切である。
まとめ
多くの化学物質によって私たちの暮らしは豊かになりました。
しかし、ある化学物質が人の健康や野生生物へ影響しているのではないか?という視点に立って、”環境ホルモンをどう考えるか?”を地球規模の問題として私たちは考えていかなければいけません。
「環境ホルモンの疑いがあるから危なそうだ」と単に注意を払うだけではなく、これからは環境ホルモンについての科学的な考えと行動が一人ひとりに求められるのではないでしょうか?